さくら横ちょう

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東京にこんなにたくさん桜があったかしら。
電車の窓から、橋の上から、道の曲り角から眺めればそこかしこ、花咲爺さんが灰を撒いたかと思うほど景色が一変。
街は桜色。
こんなに明るく華やぐのになぜか歌の世界はしっとりと哀しい。
別宮貞雄による作曲もあるが、やはりよく知られた中田さんがよい。

加藤周一作詩、中田喜直作曲
「さくら横ちょう」

春の宵 さくらが咲くと
花ばかり さくら横ちょう
想い出す 恋の昨日(きのう)
君は もうここにいないと
ああ いつも 花の女王
ほほえんだ 夢のふるさと

春の宵 さくらが咲くと
花ばかり さくら横ちょう
会い見るの時は なかろう
「その後どう」「しばらくねえ」と
言ったってはじまらないと
心得て 花でも見よう

春の宵 さくらが咲くと
花ばかり さくら横ちょう




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# by myway2015 | 2015-04-03 10:02

カナメ・タンゴ

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タンゴは失恋したときに聴くのがいい、と言っていたのは誰だったろう?
父が好きだったアルフレッド・ハウゼとオーケストラの流麗なコンチネンタルタンゴの数々。
時が経ってピアソラとヨーヨーマのリベルタンゴも衝撃的だった。
西陽を受けて燃え上がるベニカナメに、タンゴの情念の様なものを感じてしばらく見つめていた。
物置小屋に映ったその影は、その強烈な赤とは反対に幻想的で静かで日本的でさえある。
桜が開花し始めた春の日。



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# by myway2015 | 2015-03-26 20:40

3月の別れ

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2月の、まだ冷たく雪のたよりが届く時季は、春を待つ喜びと緊張感で心が沸き立っているのだが
3月も中旬となると春霞の中にぼんやりと置かれているようで所在ない。
木の芽は芽吹き、つぼみは膨らみ、春の来る喜びに満ちているのに。
これは花粉症だけが原因ではあるまいに。

最近ではどうしてもこの歌が口から出てくる。
武満徹作曲、谷川俊太郎作詩「三月のうた」

わたしは花を捨てて行く
ものみな芽吹く三月に
わたしは道を捨てて行く
子等のかけだす三月に
わたしは愛だけを抱いて行く
よろこびとおそれとおまえ
おまえの笑う三月に


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# by myway2015 | 2015-03-17 10:43

汽車の窓

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北陸新幹線が開通し、北海道新幹線開通も間近となった。
「今は山中、今は浜、今は鉄橋渡るぞと、思う間もなくトンネルの闇を通って広野原」
と歌われた文部省唱歌「汽車」の歌。
まだ汽車や電車の窓が自由に開閉できる頃、海の見えたときは思い切り窓を開け、
ホームで汽車(電車)を待ち受ける駅弁売りさんから駅弁を買ったものだった。
「窓から手や頭や足を出さないでください」とアナウンスも入ったのものだった。
大きいカーブでは窓を開けて(少しだけ)顔を出していると前方向の車両とつながっているのが見えるのも楽しかった。
新幹線の発達で日本列島は狭くなり、窓も小さくなった。
汽車や電車の窓から海や山やたくさんの動く景色が細切れにさえぎられ,
見えにくくなるのはなんとも寂しい。
草の匂い、山の匂い、海の匂い、・・それも含めて鉄道の旅である、


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# by myway2015 | 2015-03-14 09:21

月の沙漠

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ラジオ深夜放送を聴いていたら繊細な弦の前奏(もしかしたら琴かもしれない)から聞きなれた歌が流れてきた。
透明で前に伸びる声・・メゾソプラノの波多野睦美さんの声でした。
加藤まさを作詩、佐々木すぐる作曲の「月の沙漠」。
以前にピアノと歌だけで一人ボランテイアをしたとき、お年寄りに歌いたい歌のアンケートを取った際に
この歌を挙げた方がいた。
自分自身、小さい頃にどこで聴いたのか憶えていないけれど、よく知っている歌というのはたくさんあって、
これもそんなうたのひとつだった。
むかしはただ、アランビアンナイトの王子様とお姫様のお伽噺のようなイメージしかなかったけれど
昨夜、流れてきた波多野さんの透明な声に、それもただ何の誇張もなく気負いもなく淡々と歌っているだけなのに、
それがかえって哀しみを誘う。
黒い夜の中をひたすら静かに砂丘をまっすぐに歩いてゆくふたりの姿が、
まるで許されない恋の道行きであるかのようなイメージさえ呼び起される。
もしかしたら、作曲者作詞者はそういう思いを歌に託したのかもしれない、とも・・。

演奏する人によって歌は変わる。
この曲の舞台となった千葉御宿の砂浜をまた訪れてみたいと思う。
(後日この地を訪れ、タイトルは「月の砂漠」ではなく「月の沙漠」と表記することを知りました)


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# by myway2015 | 2015-03-06 21:41