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古い帯をかがっていました。
処分してしまおうかとも思ったけれど、軽くてゆるっと結べることに未練があったので。
何度も指をチクリ。
絹糸は指でしごきながら縫わないとすぐにからむし。
不器用で泣けてきそう。

お昼のデザートに少しづつ残っていた
柿と林檎をグラッセにして薄く切ったライムギパンにのせる。
柚子は
(果たしてそんな名称があるかどうか知らないけれど)
ユズネードに。
柑橘系の香りは心を爽やかにしてくれる。
ホントに「ほっとひといき」。


帯をかがりながら考えた事。

「沈黙は金なり・お口にチャック」は大事だと・・。

あのひとことがなければ、あれをぐっと心にこらえていたら・・
と後悔することが何度あっただろう。
失敗は数限りなく・・
無口な女性はひとつのあこがれ。
でも
さらに思考を進めてみたら
口に出しても出さなくても大勢に影響は無かったかもしれないの。
遅かれ早かれ後悔の連続です。

なまあたたかい11月。
春ではないけど中也の詩を思い出します。

                              「春宵感懐」       中原中也

 
                          雨が、あがって、風が吹く。
                          雲が、流れる、月かくす。
                          みなさん、今夜は、春の宵(よい)。
                          なまあったかい、風が吹く。

                          なんだか、深い、溜息(ためいき)が、
                          なんだかはるかな、幻想が、
                          湧(わ)くけど、それは、掴(つか)めない。
                          誰にも、それは、語れない。

                          誰にも、それは、語れない
                          ことだけれども、それこそが、
                          いのちだろうじゃないですか、
                          けれども、それは、示(あ)かせない……

                          かくて、人間、ひとりびとり、
                          こころで感じて、顔見合(かおみあわ)せれば
                          にっこり笑うというほどの
                          ことして、一生、過ぎるんですねえ

                          雨が、あがって、風が吹く。
                          雲が、流れる、月かくす。
                          みなさん、今夜は、春の宵。
                          なまあったかい、風が吹く。





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# by myway2015 | 2015-11-19 14:12

Ma Vie (私の人生)

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友人から毎年いただくカレンダー。おもに詩人くどうなおこさんの詩が月ごとに載っている。
今年も届いた来年用のものには製作から30年経った記念としておみくじハガキが入っていた。
そのおみくじは数種あって、誰にどのおみくじが当たるか包装を開けてのお楽しみなのである。
でもどのひとのおみくじも「大吉」らしい。

わたしに当たったのはこれ。

「わたしはわたしの人生から出ていくことはできない
 ならば ここへ花を植えよう」

あきらめとはちがう、ひとつの潔さ・・幾度も幾度も外の世界をめざし、自分の人生をやりなおし、挑戦し続けた末に
たどりついたゴール・・決意のようだと思う。そしてゴールはまたスタートでもあるのだろう。

お説教めいた文言は好きではないけれど、今この偶然のように舞い込んだおみくじのことばには強く胸を打たれる。

古いシャンソンに「Ma Vie」という歌がある。詩も曲もアラン・ヴァリエール。
あまり日本ではポピュラーではないし、詩も平凡な恋の歌なのだけど、ちょっと思い出した。

「潔さ」と云う意味では佐藤春夫のこの詩も壮絶。
 
 別離
 人と別かるる一瞬の
 思ひつめたる風景は
 松の梢のてっぺんに
 海一寸に青みたり。

消なば消ぬべき一抹の
 海の雲より洩るやらむ、
 焦点とほきわが耳は
 人の鳴咽を空に聞く。

 




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# by myway2015 | 2015-10-26 15:32



季節の巡るのが年ごとに早くなっているような気がします。


いつもと同じなのかしら。


いそがずにゆっくり時間が経ってほしいのだけど。


そうじゃないと気持ちが追いつかない。


キンモクセイがあちこちで方向を漂わせるこの頃、


少し遅れて我が家のギンモクセイもほのかに香ってきました。


そういえば昨年は、キン・ギンモクセイの花を拾ってきては押し花にしたものでした。


「浅い春が好きだった

死んだ父の口癖の

そんな季節のおとずれが

近頃ではわたしに早く来る

ひと月ばかり早く来る。


http://www.fureai.or.jp/~t-mura/chichinoiruniwa-3-strings.html


という多田武彦さんの男声合唱曲がある。


これは早春の歌だけれど、父も母も9月生まれだったからか初秋のこの季節の陽射しはなぜか懐かしいのね。


江面幸子さんの作詩、小山章三さん曲のこの歌も好き。


「こんなに空が青いので

涙や夏つくった哀しみや寂しさを

ぽんぽんと投げてしまった

わたしの目は透きとおっている」


何年前に演奏した「秋はしゃむ猫のように」の中の一曲。


振ったり弾いたり歌ったりしているときは夢中だけど、いろいろなことを乗り越えてほっとどこかだ緩んだときに


メロディが遠くから、細い雲のたなびくが如く近寄ってきます。

そういう時の慰めが音楽かもしれない。


さてさて、静かな昼下がりで昼寝をしたいくらい。



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# by myway2015 | 2015-09-28 14:57

だれが風を見たでしょう

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雨が降りだす最初の一滴
雨と晴れの境いの土の上
風が吹き出す最初の揺らぎ
つぼみの開くその一瞬
さなぎが孵るかすかな震え
波の生まれる海のどこか

どれだけ残っているのだろう
見ていないもの聞いていないもの

                      風         原詩 クリスティナ・ロセッティ
                          日本語作詩 西条八十

だれが風を見たでしょう
ぼくもあなたも見やしない
けれど木の葉をふるわせて
風は通りぬけてゆく

たれが風を見たでしょう
あなたもぼくも見やしない
けれどこだちが頭をさげて
風は通りすぎてゆく

この詩はまだ中学生のころにどこかで読んで強い印象を受けたものだった。
草川信がこの詩に作曲しているのを最近初めて知り、イメージがわいて自分でも作ってみた。 

ジャン・コクトー、堀口大学訳詩のこれも好きな詩。 


貝殻の耳

わたしの耳は貝の殻
海を響きを懐かしむ


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# by myway2015 | 2015-08-23 15:38

薔薇の歌

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異常ともいえる真夏のような5月が終わり、早くも6月。
バラも今年は少し早かったかもしれない。

ピアノを習っていたのが原因ではないと思うけれど、小さなときから歌は好きだった。
NHKの「みんなのうた」をテレビの前で夢中で歌っていたのを皮切りに、
中学に入って父が買ってきてくれた「世界名歌110曲全集」に夢中になったものだった。
自分で伴奏をしながら歌う、という楽しみはこの楽譜がきっかけで覚えたのかも知れない。
使い過ぎてページが黄ばみ、ぼろぼろになった厚手のその楽譜は今でも楽譜棚に並んでいる。
ライトンの「暗路」、ナポリ民謡の「さらばナポリよ」、
フォスターの「夢路より」、メンデルスゾーンの「歌の翼に」、
グノーの「アヴェマリア」(これがバッハの平均律の一番と知ったのはずっと後になってから)、
そしてシューベルトとヴェルナーの「のばら」・・他たくさん。

あれは、いつの音楽の教科書だったか、題名も忘れてしまったけれど
「白ばらの匂うゆうべは・・」ではじまる歌があった。
6月になると真っ先に思い出す歌である。


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# by myway2015 | 2015-06-03 09:41

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